ヘタカレ王子様。



「……でも

ありがと…」




一応言っておくけど、


私は決してツンデレではない



________
____ _


翌日。





昼休みに、人気のない

階段の踊り場でシンミリと
していた私に、


戸唖がポケットから

遊園地のチケットを
取り出し、





「世奈。

遊園地行こう!」




「……うん。

どうせ私は子供ですよ」






ふっ、と若干投げやりに呟くと、意外な言葉が返ってきた。



「そういうところが、可愛いんだ…世奈」


「なっっ…ん――」





振り返りざまに、

戸唖の唇と重なった。







息が止まった。



殺す気かっっ。






「…あっ……ごめんっ…。
つい…

かわいくて…」








私の顔…

絶対真っ赤だ…。





でも戸唖は、

それも気に入ったらしく



また私の唇を奪ってく…









手繋ぎ通り越して、

初キス&2回目キス……。






なんか…



不思議な世界に、

迷い込んだみたい…。







私はじっと、戸唖の

大人びた瞳を見つめてた。







< 3 / 237 >

この作品をシェア

pagetop