ヘタカレ王子様。
「……でも
ありがと…」
一応言っておくけど、
私は決してツンデレではない
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翌日。
昼休みに、人気のない
階段の踊り場でシンミリと
していた私に、
戸唖がポケットから
遊園地のチケットを
取り出し、
「世奈。
遊園地行こう!」
「……うん。
どうせ私は子供ですよ」
ふっ、と若干投げやりに呟くと、意外な言葉が返ってきた。
「そういうところが、可愛いんだ…世奈」
「なっっ…ん――」
振り返りざまに、
戸唖の唇と重なった。
息が止まった。
殺す気かっっ。
「…あっ……ごめんっ…。
つい…
かわいくて…」
私の顔…
絶対真っ赤だ…。
でも戸唖は、
それも気に入ったらしく
また私の唇を奪ってく…
手繋ぎ通り越して、
初キス&2回目キス……。
なんか…
不思議な世界に、
迷い込んだみたい…。
私はじっと、戸唖の
大人びた瞳を見つめてた。