ヘタカレ王子様。
………………。
「喉…かわいたね戸唖。
そこの売店のカルピス…」
「世~奈~、な?
乗ろうよジェットコースターあああああ…」
「だ…駄々こねないの!
やめてよ
恥ずかしい…」
私って…母親なのか?
そうなのか!?
てかこいつ…
まさかマザコン…!?
結局、
戸唖の駄々こねに負けた私は、カルピスを重々しく飲み、
その腹でジェットコースターへ………。
どうやら…
常識人より変わっている私は、みんなが嫌がるジェットコースターを、
余裕で乗ってみせた。
子供の頃に一度、
私はジェットコースターに
乗ったことがあり…
親が失神寸前で叫ぶなか、私だけ爆笑していたらしい…。
「ねえ…大丈夫?
あんた自分で言っといて、まさかジェットコースター苦手とか言わないでしょうね…」
訝しく戸唖を見つめると、
彼からは一言、
「世奈と………一緒なら……克服、できるかなって……」
私の彼氏は、超ヘタレ。
あとドンカン。
なのに、だからというか、
他の女子が眼中に入らず、
超一途。
そして
愛する人のためなら
なんでもやってのける…。