ヘタカレ王子様。



「…ぇ……?」






どうして戸唖が謝るの?




謝らなくちゃいけないのは、わたしなのに…









「俺が弱かった…!苦しんでる世奈に、なにもしてやれなかった…!

だから…愛想尽かしたんだよな…!まじで…俺…、」











ぎゅ、と



戸唖の腕に力が入った





わたしは投げやりに笑って「いたいよ」と、小さく呟いた







小さく呟くわたしが消えそうだ、とでも言うかのように



戸唖は顔をわたしの髪に埋めた…






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