蒼い人魚姫‐Bule Mermaid‐
ぱちぱちと目を瞬かせると、男の子は潤んだ瞳で不思議そうに私を見た。


「お姉ちゃん、だあれ?」

「えっと、私はリゼル。」

男の子は私の身体を見渡し、目を大きく見開いた。
「お姉ちゃん、人魚?」

「そう。人魚だよ。」

男の子はもう一度じっくりと私を見たあと、あたりを見渡した。

「ねぇここ、どこ?」
「海の中よ。」

そうしているうちに男の子の顔色が悪くなってきた。


「あ、ちょっと待って」
あぶくの中の酸素が減ってきたようだ。

私は急いで他のあぶくをかき集め、くっつけた。

少し様子を見ていると男の子の顔色は赤みを取り戻してきた。
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