蒼い人魚姫‐Bule Mermaid‐
「そろそろつくよ。キミ、少しは泳げる?」

「…うん!」


なんだか少し得意げだ。

「そっか。またおぼれないようにね。すぐそこまでだから」

「うん。あっお姉ちゃん!」


私が首をかしげると、少し弱々しい声でその子は言った。

「お姉ちゃん、また来てもいい?」

まっすぐな透き通る瞳だった。
「ぼくまだお姉ちゃんにはなしたいこと、あるんだ」

私は少し照れくさくなったけれど

「もちろんだよ。泳ぐのが上手になったらおいで」
そうして、指切りをした。

男の子の手は小さくて温かかった。

(つづく)
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