※last love
「それじゃ、萩原くんの席は橋本さんの隣ねー。あそこの空いてる席」
「ういっす」
俺は榊原の指さした所の席に向かった。
偶然的に、さっきの2人の黒髪の方が右隣だったから、席に座る前に顔をチラッと見た…
ら、
やべぇ。
長めの黒髪は、右の前髪らへんは編み込みでアップされていて
マスカラで強調された目の色はブラウン
ピアスは大きめで、動く度に揺れる。
こんなに見惚れてしまうのは
こいつ自身の素材がいいから。
なんだよ、この美顔…
見られてるのに気付いたのか、席に着いた時、俺の方をチラッと見た。
わっ、目合った。
「お前名前なんてゆーの?」
焦って言った一言にこいつは。
「…橋本玲衣」
と、呟いた。
「へぇ、玲衣ね。俺のことは景介って呼んで♪」
あー何余裕ぶってんだ俺!
女好きとか思われたんじゃね?
こんなに可愛い奴、絶対彼氏とかいるよなー…
って、何考えてんだ俺!
チラッともう1回見る。横から見るとまつ毛長いのがよく分かる。
「玲衣」
「わ、」
不意に呼ぶとビックリしたのか、ビクッと肩を震わした。
「お前、せんせーにあの態度とかいい度胸だよな(笑)」
「え、いつもの事だけど」
「お前気に入ったーうける!俺前の学校でそーゆー奴全然いなかったから。この学校楽しそーでいーな!」
「…そ、そー?」
もう…俺だめだ…
テンパりすぎ…
絶対引かれただろ…