ツンデレのススメ! 〜ツンデレ義弟×天然義姉〜
もちろん私だって最初からすぐに仲良くなれるとは思ってなかった。
でも、そこまで拒絶されるようなこと、私してないよね……?
それが伝わったのか、雅紫くんがお母さん達に聞こえないように、私の耳元で小さく囁いた。
「僕は家族ごっこに付き合うつもりなんてないから。見てるだけでイライラする」
「……っ」
仲良くなりたかったのに、
雅紫くんを、怖いと思ってしまった。
「……美波?どうかしたの?」
「……あ」
「ううん……なんでもないよ。食べよっか!」
結局、私は晩ごはんの間ずっと上の空だった。
テーブルの向かい側に仲良く座るお母さんとお義父さん。
楽しみにしていたはずの、新しい家族が揃って食べる初めての食事。
……私は隣の雅紫くんが気になって、全然おいしいと思えなかった。