スティグマ~いつかあなたへと還る~
「永遠に眠れ、少女達を置いて!」
 

 男は大仰に天を仰いで首をそらして左右に振った。


 彼女の言うことを聞く気はないようだ。


「先手必勝! 喰らえ」


 男は難なく首を横にそらして一打を避けた。


 しかし、ダーナはあきらめない!


 腕を変形させて背後から男ののど頸を締め上げた。


 彼女は一瞬にして間節を外せるのだ。


「ぬう!」


「我が一族が滅びにあい、誇りを踏みにじられたのは聖塔のせいと聞かされてきた。それは全て、嘘だったのか? 黒幕はだれだ。吐かねば殺す」


 彼女は全体重を乗せ、細い腕をゆるめず、後ろ蹴りに背を打った。


「う……知らな……」


 男は腰に一撃を受けて少々、つんのめるようによろけた。が、それだけだった。やはり、体重差で無理があるのか?


 だがダーナは思いっきり跳び膝蹴りを浴びせて、諸手で頭蓋を床面にたたきつけて砕いた。


 思いっきり急所だ。


 体格差も踏まえると、本気でいくしかないとの判断だ。


「言え。アルファ族を滅したのはおまえか」
 



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