スティグマ~いつかあなたへと還る~
 あ、とダーナは驚いた。


 そして、わずかに悔しそうに二人のようすを見ていた。


『ルナ様』


 私が一番に言うはずだったんだけどな……と。


 そのとき、恐ろしげな音を聞き、みんな元を尋ねたが、そこにはエルナリアが。


「くう」


 と腹を抱えていた。


 直視すると、珍しく明るく彼女は言った。


 朗らかに。


「空きっ腹はいつものことさ。シスター、泉の水で我慢するから、飲むのを許してよ」


「岩塩のスープと黒パンで善ければどうぞ」


「なにそれ、食い物? おいしいの?」


「私のお昼です。皆さんもいかが?


 全員、めいめいの仕草で礼を言った。
 


                      了
 


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