俺様彼氏に気をつけて!?
――翌日、学校にて。
ガラッ
「あ、おはよ水樹」
朝教室に入ってみると、水樹が先に来ていた。
佳奈は……まだ来てないみたい。
「おはよう、ひな」
そう言ってにこりと笑う水樹は本当に綺麗で、まるでどこかのモデルみたい。
肩の上で揃えられた黒いストレートの髪が揺れる。
今更だけど水樹は私なんかにはもったいないよ。
私は気づかれないようにため息を吐いた。
そのとき、
「あっ……おはよ! ひな、水樹!!」
佳奈が登校して来た。
今、一瞬だけど視線が泳いだ……?
私と目が合って困ってた……?
「おはよう佳奈ーー☆」
私は気にせず、佳奈に抱きついた。
いつもの様に。
「んな! もうひなぁ~」
佳奈は笑ってる。
いつもの様に。
佳奈、何があったかは知らないけど私達はいつでも佳奈の味方だよ。
だからもっと頼っていいんだよ。
ねぇ、佳奈……。
ガラッ
「おふぁよ~、H・Rはじめっぞ~」
欠伸交じりの低血圧教師、やまもっちゃんこと山本先生の登場だ。
ちょっと! 私今めっちゃいい事言ってなかった!?
やまもっちゃんのせいでムードぶち壊しだよ!
私は思いっきりやまもっちゃんを睨んだ。
「篠岡? ど、どうしたんだ……?」
それに気づいて挙動不審になってる。
今、ちょっとビクッとしてたし(笑)