俺様彼氏に気をつけて!?
バンッ
「おっせーよ!」
顔見て第一声がこれですか。
まぁいいですけどねぇー別に。
「ご、ごめん。はいこれ」
千晶にお弁当を差し出す。
「お前、今日もコソコソと来たのか?」
お弁当の蓋を開けながら千晶がそう聞いてきた。
こいつの言うとおりだ。
私はいつも屋上に来るときは、誰にも見つからないように来る。
「うん、まぁね」
「……ふーん……」
なっ! 自分から聞いといて、何その興味なさそうな返事は!
だって仕方ないじゃないの。千晶とこんな風に会ってるなんてことがバレたら何をされるか……。
って、あれ?
「そういえば、千晶は女子に絡まれたくなくて私を彼女にしたんだよね」
千晶は「は? 何言ってんの? ったりめーだろ」と答えた。
まぁそうですよねι
でも……、
「じゃあ何で私が彼女だってみんなに公表しないの?」
このまま隠してても何も意味ないのに。
これじゃあ今まで通り女子に絡まれまくりだよ。
「何でって……お前、バラして欲しくないんだろ?」
「へ!? それは、まぁ……」
「バレたら女子共に何されるか分かったもんじゃないってか?」
……全くもって仰る通りで。
何せ相手はあの市瀬千晶ですからね。
噂じゃ、千晶のファンの中にはけっこうな過激派もいるらしいし。
内履きに画鋲入れられるくらいじゃ済まないんだろーなー……。
考えただけで寒気がっ!
「つーわけだから黙っといてやるよ」
「ありがたいけど、でもそれじゃあ……」
私別に彼女になんなくてもいいんじゃない……?