俺様彼氏に気をつけて!?
「もしこのまま黙ってるようなら絶交するとこだったかも☆」

セリフの内容とは裏腹に明るく言う。

でも目が笑ってないから怖いよ!

「ごめんね佳奈、だから協力は出来ない」

「いいってことよ。親友と男の取り合いなんて青春っぽくて最高じゃない」

私の肩を叩いて優しく微笑んだ。

「ひなは悪いことしてないんだから、もっと堂々としなさい!」

「!……ありがとう」

「良かった。二人が喧嘩するんじゃないかって冷や冷やしてたの」

それまで黙って見守っていた水樹が口を開く。

正直私もそうなるかもって思ってた。

けどそうはならなかった。

佳奈はそんな人じゃない。

そのことは分かってたつもりでも、本当は分かってなかったのかもしれない。

だからビクビクしてた。

佳奈に嫌われるのが怖かった。

だって、大好きだから。

本当にありがとう佳奈。そして水樹。

「これからひなとはライバルかぁ!負けないからね!!」

「臨むところよ!」

そして私たちの戦いの日々は幕を開けた。

と言ってもほとんどいつも通りなんだけどね。

とにかく、これからは千晶の本当の彼女になれるように頑張らなくちゃ。

きっと千晶は私のことなんて何とも思ってない。

だから気長に片想いしていくんだ。

焦らなくていい。

ゆっくり、少しずつ、私のことを知ってもらえばそれでいい。

そしていつか、この気持ちを伝えるから。

千晶……どうかそれまで待っていて。

どうか私のこと忘れないでいて――。





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