俺様彼氏に気をつけて!?
!!!

そうだ。俺は肝心のひなの気持ちを無視していた。

ひなの言葉を聞きもしないで勝手に決めて。

それが一番いいと思い込んでいた。

そうか……。

ひな、分かったよ。

「もう離れるなんて言わないで! お願いだから傍にいて……っ」

ひなは俺のシャツを握り締めて言った。

俺の胸に縋るように。

でも、もう泣かなくていい。

俺はお前を――

「……もう離さないから、ひな」

そう言ってひなの顎をクイっと持ち上げる。

「一生逃がさない。だから……覚悟しろよ?」

それから俺はひなにキスをした。

これで二度目だな。

今回もあのときと同じように、嫌な顔はしなかった。

むしろ嬉しそうかな。

「……はぁッ」

長いキスの後、俺は耳元で囁いた。

「好きだよ、ひな」

その言葉に、ひなは優しく微笑んだ。

“覚悟ならとっくに出来てるよ”

そんな声が聞こえてきそうな顔だった。

ありがとう、ひな――…。










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