俺様彼氏に気をつけて!?
「彼氏に対して敬語なんて言語道断。今後一切敬語は禁止」

「へ!? はい……いや、わ、分かった」

ん? でもそうなると一つ問題が浮上する。

こういうことって直接聞いてもいいんだろうか?

えーい! いいや聞いちゃえ!!

「それで、私はあなたのことどう呼んだらいいの?」

「んなもんどーだっていいよ。何でもいいからちょっと呼んでみ?」

き、急に言われてもなぁ……んと……

「い、市瀬くん?」

「んなカレカノがどこにいるよ! 下の名前で呼べ!!」

さっきどーだっていいって言ってたくせにッ!

「じゃあ千晶くん?」

「変じゃないけど何か堅い」

ったくこの人はぁ! どんだけ俺様なのよ!!

「じゃあどう呼べばいいってのよ!」

「……もう呼び捨てでいいよ」

こいつはまたそんなことをサラッと。しかも「メンドイし」なんて言いながら欠伸してるし!

あぁ上等だ、お前だってさっき私を呼び捨てたし?

私だってやってやろうじゃないの!!

「ち、ちちち……ちあき……」

「あ? 聞こえない」

「ッ……ちあき……」

グイッッ

「キャッ」

気付ば、私は再び壁に追い詰められている。

「お前やる気あんの? なんなら今ここでお仕置きイっとくか?」

!!!

「三秒待ってやるから、その間にちゃんと言わねーとシちゃうよ?」

「ちょ、そんな……」

「さーん」

ヤツは本当にカウントダウンを始めた。

お仕置きなんて何をされるか分かったもんじゃない!

「にーい」

「ッ!」
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