ウラコイ+α
「だから、彼にはもう近付かないで。」
「な、何でですか。」
彼女は つんと顔を
反らしながら言った
「彼が言ってたわ、顔も見たくないって。これからあっても声掛けるなって…」
「そんな事っ…」
―何か理由があるのよ。
「そういう事だから。怜一さんと仲良くしないでね、よろしく」
言いたい事だけ
言ってスタスタ歩いて行った
よく分からない。
何なの…?
あたしは
不安なまま自宅に帰った
次の日
シネマ授賞式が開催された。
お決まりのホテルで
たくさんの俳優や業界人
皆ドレスを着ていた。
もちろん
あたしも着せられた
派手ではない黒のドレス。
中は暖かいので
半袖みたいな型の服だった
「弥生…。」
「美貴ちゃ……ん、ちょっと派手じゃない?」
会場に現れた
美貴ちゃんは赤の足まであるドレスを着てる
「…え?あまり派手じゃないの選んだのだけど、そういう弥生は地味よ…。発表会じゃないんだから―」
美貴ちゃんの
派手な感覚はずれてる