ウラコイ+α
「大丈夫ですか?顔色よくないですけど…」
あなたに心配なんか
されたくないわよ…
昨日嫌みたらしく
言ったじゃない
「平気よ。うーん、」
「…昨日は昨日ですよ-。御手洗い行きましょ?」
「灰原、」
「さっきのサングラス何なのよ…?」
灰原は苦虫を噛んだ
みたいな目で俺を見た
「理由言っただろ。田中は、いないのか?」
灰原は いないの?と聞き返した
いたら聞かねぇだろうに…
「あたしも分からないわよ。席離れてたし、あ、さやさんが出てくのなら見たわ…貴方の彼女」
「彼女じゃねぇよ…。何、その誤解?」
さやという子は
妹みたいな感じなのに…
「弥生は誤解してるわよ。何を見たか知らないけど、詰めが甘いんじゃないの…。早く行きなさいよ」
「悪かったな…、」
灰原はふんと顔を向けた
田中…とあの子、
何かあったのか……
会場を出ると、
何かホテルの人間がざわついていた
「すいません、何があったんですか?」
「エレベーターが誤作動を起こしまして…。中に一人女性が…、」