ウラコイ+α
泣かない。
化粧が崩れるから
「……」
「田中…、ほら。」
神田君は床の上に何か置いた
「……メダル?」
第20回主演男優賞
な文字が入ったメダル
「…おめでとう」
あたしはメダルを
見ながら呟いた
「あぁ。ありがとう…」
神田君 何が言いたいの?
「…少しはマトモな顔になったな。」
「マトモってなによ……」
「普段通りの馬鹿づらだよ。さっきみたいなブッサイクな顔よりまだいいよ」
本当に失礼な発言だ。
言葉使いも荒いし、
容赦ないのに、
「何よ、それ。本っ当失礼よっ…。まぁ顔はそこまで綺麗ではないけど、」
私はうれしいと思ってる。
何だか素直に認めるのが嫌。
「お前は不細工だけど、別に…綺麗じゃないとは言ってない。まぁ…そこそこ、」
そこそこ…って。
「……そうですか。」
「言っとくけどな、顔は綺麗でも中身が汚い人には不細工なんて口が裂けても俺は言わない。」