ウラコイ+α










いつも呼んでいた
彼の名前が言えない








言葉に詰まる





「……俺じゃない奴?」






「……あの、」






返事は2択
はいか いいえか。



言ってしまえばいい…








違うと…







「……ちが…う。神田君なの、」






小声でしか言えない



彼に聞こえない。













「……」









「騙してるんじゃねぇよな?実は嘘なの―とか…」





神田君の手が
ヒラヒラ動くのが見えた




ちがう、


「騙してない!私は神田君がっ……、好き…なの」







「……、…」






言った。




神田君からは何の返事もない





黙っている…







話しづらいじゃない…



何で黙るのよ!


好きだとか
言ってたじゃない





喜ぶところでしょ
< 49 / 90 >

この作品をシェア

pagetop