ウラコイ+α
いつも呼んでいた
彼の名前が言えない
言葉に詰まる
「……俺じゃない奴?」
「……あの、」
返事は2択
はいか いいえか。
言ってしまえばいい…
違うと…
「……ちが…う。神田君なの、」
小声でしか言えない
彼に聞こえない。
「……」
「騙してるんじゃねぇよな?実は嘘なの―とか…」
神田君の手が
ヒラヒラ動くのが見えた
ちがう、
「騙してない!私は神田君がっ……、好き…なの」
「……、…」
言った。
神田君からは何の返事もない
黙っている…
話しづらいじゃない…
何で黙るのよ!
好きだとか
言ってたじゃない
喜ぶところでしょ