ウラコイ+α
「はぁ…」
あたしも仕事は入ってるけど
神田君ばりには忙しくない
だから少し引け目
みたいなのを感じてしまう
「田中さんっ。お疲れです、似合いますね!セーラー服」
「ありがとう、矢吹君も似合うよ学ラン」
『マイプリンセス』共演者の矢吹君
年も私と同じ
「どうも、神田さん…。今年は5本は映画決まってるみたいですよ。」
「そうなんだ。」
「田中さん、神田さんと仲良いんですか?」
「まぁ。程々に…、どうかしたの?」
矢吹君は いえと笑った
「遠目から見て、彼氏みたいだと思って…すいません。」
「彼氏な訳ないじゃない。あんな怖い人…」
隠さなきゃ…
まだばれちゃいけない
「そうっすよね、田中さ…」
「怖くて悪かったな。」
ぬっと後ろから声がした
神田君。
いつの間に、
「矢吹…、監督が呼んでたよ。聞こえなかったか?」
ジロッと神田君は睨んだ
「…すいませんっ、」
矢吹君は素早く走って行った