ウラコイ+α











「町谷さん。…」




「…どうかしたの?」




工藤君は、はいと言った。


編集部はほぼ死人みたいに人が寝かぶっている




「お菓子持ってませんか…。出来れば甘いやつを」




「お菓子ぃ?えーと……」





確かみちるがお菓子好きだからよく持ってる





バッグを漁るとクッキーが出てきた




運よく一箱。



「はい、大丈夫だと思うけど…」



工藤君は箱をじぃと見て少し笑った



「ありがとうございます」




「本当に甘い物好きよね…。呆れるんだけど」



「よく言われます、けど辛い物食えないんで……じゃ」






仕事があるのかお礼を言い編集部を出ていった






工藤君は編集部一の甘党





セットのケーキを誰も食べきれず

一人でワンホール食べきった猛者だ






あまり話さないけど照明の腕は確かだ









変人ね。確実に…













「美帆ー。お菓子ある?ミラクル堂のクッキー買ったよね」



「工藤君にあげたわよ、タイミング悪かったわね。みちる」





みちるはぽかーんと口を開けていた





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