★ブルーの彼方★
「バイト辞めたほうがいいのかな?」



 私はため息混じりに言った。



「いいんじゃん、気にしなくても」



「でもさ、江利といて楽しかった思い出までもが、このままじゃ失われちゃうように思えて…」



 一緒に塾に通ってテスト勉強したことも、公園のベンチで何時間でも話をしたこと、一緒に洋服を買いに行ったこと。




何もかも、江利の中では嫌な思い出へと変化してるのかも。



私もいつか、そうなってしまったら、悲しい。



「そっか、そうだよね。



でもさ江利ちゃんといつか、わかり合える時がくるかもしれないよ」




「了はいつも、プラス思考で羨ましいよ」



 どんな時も、彼はきっとプラスに考えられる人なんだろうな。
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