★ブルーの彼方★





 玄関を開ける音と共に、「ただいま〜♪」と上機嫌な母の声が聞こえた。





 母は真っ赤な顔をして部屋へ入ってきた。



おそらく、酔ってる…



「また、彼氏と会ってたの? こんな遅くまで」


 私は不機嫌な口調で言った。



「そうよ。



どうしたの? そんなこと言うなんて夏季らしくない…」



 驚いた様子で、母は言った。



「らしくない、って何?!



お母さんは私の何を見て、らしいとからしくないって決めるわけ?



いつもいつも、帰ってくるの遅いくせに。



お金だけ置いておけばいい?



そんなの、勝手すぎるよ!!」



 自分でも、わけがわからない位、大きな声を出してた。
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