★ブルーの彼方★
「さっきからさ、小動物みたいにさ、パンかじっては一瞬止まってこっちを見ててさ。



不気味だから、本当に」


 江利のその言葉に「いやいや、そっちこそ人の家の庭を荒らしてたら、それこそ不気味だから」って、心の中で唱えてみた。



「そのバッグすごいいいな〜って思って☆



高かったでしょ?」



 私は恐る恐る、バッグへと話題を変えていった。



「そうだね。



バイト代と、お年玉貯金をちょっと削って買ったからね」



 メールの早打ちをしながら、さらっと江利は言った。
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