★ブルーの彼方★
「ちょっと……」



 私がそう言いかけた途端、江利の視線がこっちへと向けられ、ドキッとした。



でもこのまま、もやもやとしたままいるのは辛すぎる。



「ちょっと、見せてもらっても……いい?」



 恐る恐る、やっとの思いで切り出した。



「別にいいけど」



 江利は再び携帯に視線を落とし、バッグを差し出して言った。



心臓が波打つ!



私はそっと、バッグに手を伸ばそうとした瞬間、江利の携帯が床に落ち、ビクッとした。
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