★ブルーの彼方★
「もしかして、無言電話?」



「うん」


 母は力なく返事する。


「警察に通報したら?



無言電話の犯人がわかるかもしれないよ」



「いいの」



「でも、この前だって、庭があんなになってて。


それも、もしかしたらその犯人と同一人物かもしれないよ」



 私は立ち上がって、子機を手に言った。



「いいの。



もう、見当ついてるから」



 きっぱりと、母は言い切った。
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