優しい嘘−最低な男を愛して−【下】
誰だろ?


あたしが玄関を開けると、そこにはあの人が立っていた。



高そうな靴にスーツに鞄を持った人。

今日もローズの香りを漂わせていた。






「あの、大雅なら学校ですけど」


「知ってるわよ。今日はあなたに用事があってきたの。雪穂さん」





……………あたしに?


……………なに?




嫌だ。胸がざわついてきた。





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