優しい嘘−最低な男を愛して−【下】
でも、あたしにはかけてあげられる言葉がない。



あたしもいつの間にか自然にソファーからおりて床に膝をついていた。






「頭、あげてください」




ゆっくりと頭をあけたケイコさんの瞳には涙が溜まっていた。





「ごめんなさい。あたしには答えられないんです。大雅が…受け入れるなら…何も言えない」





嫌だけど…すごく嫌だけど、我慢するしかない。


大丈夫だよ。今までだって耐えられたんだから。




< 58 / 265 >

この作品をシェア

pagetop