優しい嘘−最低な男を愛して−【下】
薄い壁を隔てて聞こえてくる女の甘い声。



iPodで音楽を聞いていても吐き気がする。



薬指にはめたままの指輪を見ながら、涙をながしていた。



前なら涙も流さなかったのに、今のあたしはすごく弱虫になってる。



あたしの涙を見て、大雅は怒りをぶつけるような抱き方をしてくる。





『泣いたら殺す』とでも言われてる気分だった。







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