空の贈り物
~大輝side~

俺があいつを…

“望月 舞”

を見たのは昨日の入学式。

代表生徒として舞台にあがった舞は、俺にとっては輝かしかった。

舞に何かを感じたんだ。

だから、運命だと思った。

屋上にあいつがいたのは…

あまりにもビックリして、その場に落ちてしまった。

舞はいつもの日課を俺に教えてくれた。

聞いた曲は安らぎがある綺麗な曲だった。

なのに…

その曲を聞いていた、舞の横顔は悲しそうに見えたんだ。

聞き終わったあと、接点を残したかった俺は名前を聞く。

聞かなくても、わかっていたが…

「お前、名前は?」

「望月…舞…です。」

「俺は2年の斎藤大輝だ。宜しくな!舞!」

少し名前で呼ぶのは照れくさかったけど、ここで関係を閉ざしたくなかった。

だからあえて身近な人になれるように名前で呼んだ。

「宜しくお願いします。大輝先輩。」

俺は目を見開いた。

名前で呼んでくれるとは予想もしなかったから。

しかもずるい。

あんな笑顔で…

言うなんて…

反則だ。

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