空の贈り物
「お前、そんなに好きなのか?」

「やった事はないけど、憧れてて…」

照れくさそうに言う。

もう、完璧に弓道部決定っていうくらいの喰らい付き。

「そこの新入生。やってみるか?」

弓道部の先生が舞に話しかける。

俺の予想では絶対にOKするだろう。

「いいんですか!?やります!!」

好きな事ができる瞬間の笑顔が一番輝かしいな。

違う服に着替え、姿勢などを教えてもらっている。

舞の顔は楽しいそうですごく真剣に学ぼうとしていた。

舞が矢を放つ。

!?

俺は驚いた。

いや、驚いたのは俺だけじゃない。

先生や部員もだ。

「…普通、いっぱつで真ん中当てないだろ…」

つい心の言葉が口にでてしまった。

飲み込みが相当早いんだな。

舞は真ん中に当てた事には驚いていない。

逆に、楽しいっという実感が大きくそこに感動していた。

もちろん、顧問の先生は…

「君、才能あるよ!ぜひ、弓道部に入部してくれ!」

先生の目までが輝いている。

相当、期待をもちかけたんだろう。

もちろん舞の答えは決まってる。

「弓道部すごく楽しいし、ぜひ入りたいです!!」

満面の笑顔で言う。

なんか、いろんな舞を見るたび俺の気持ちが…

”舞には勝てないなぁ…”

っと思うようになる。

かなわないあの笑顔、才能。

ある意味、尊敬するよっと思いながら舞を見つめた。
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