ヲタクな彼と秘密のゲーム
ガラッとドアをスライドさせ中に消えていくのと同時に、教室の中からまるでスペシャルゲストを迎えたかのような歓声が響いてきた。
…1人にさせてたくせに…。
何となく彼女の直ぐ後には入れなく、入り口近くで時間を潰す。
「…ゆう、お前考え過ぎじゃね?」
私の後ろで溜め息混じりの言葉を吐く琉生。
「はー…、琉生は分かってないんだよ…。女の子はそーゆーもんなの」
「そっかぁ?」
私も負けないぐらいの溜め息を吐く。
「ゆうは何で女子といないの?」
お前のせいじゃいボケェ。
「いいよめんどくさい」
「ふーん…」
頭をボリボリ掻きながら横を通り抜けて教室に入る琉生。
ふーん…って。
それだけかいな。
…ていうか、…うーん…、そうだな~…。
私も小学校ぐらいまでは女友達いたような…。
ま、ぶっちゃけ欲しいとも思わないけどね。
いや、強がりとかそういうのじゃなくて、本当に。
実際どう思われようが知ったこっちゃないし。
ていうかこんな事考えてる時間も勿体無い。
それより今はどうやって琉生の興味を紗耶香ちゃんから逸らすか。
もしもの場合を阻止しなければ…っ!!
と、ちょっぴり小さく気合い投入のガッツポーズをして、教室の中へと入っていく私でした。