ヲタクな彼と秘密のゲーム


「今誰を狙ってんの?」

「今はりさちゃん頑張ってんだけど…」

ここで琉生の特技紹介。

こんなハーレム状態の主人公は、普通に行けばどのキャラクターも攻略できる。

だが、琉生の場合は何故か必ずバッドエンドになる。

そもそも万人受けの萌えゲーにバッドエンドが存在するのに驚愕だ。

だけど、見事に選択肢をミスってミスった末に、彼は幻のエンディングへと辿り着いてしまうのだ。


そこで、私の出番。

昔からずっと付き合わされてきたからか、私は必ず選択肢を当ててしまう。

人間様の作ったキャラの性格など、すぐに分かってしまうのだ。


…念の為に言っておくけど、私は同性の上に二次元になど興味は一切ありません。


ともかく、お陰でゲームに限らず、生身の人間でも何回か言葉を交わしたらその人の性格をなんとなーく分かってしまうという、なんともおかしな特技を習得してしまいましたとさ。

しかし女性限定。


だから今更だけどまともな女の子になろうとしている私。

『特技・萌えゲー』
はちょいキツい。


変えようと努めているところなのだが…。



「ここの選択肢なんだけど、これでいいのか?」

「何言ってんの?りさちゃんはツンデレだよ?そういう子はちょっと攻めるとデレるの。だからここはこの…」



……て、

またやってしまった…。



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