私の最悪の幼馴染。
午後の授業も終わって、秋冷も終わった。


いつもであれば、皆部活だけど、今は試験期間が間近に迫っているため、


皆直帰である。


「麻子、帰ろう」


私のその声に、麻子が振り返る。


「ごめん、今日一緒に帰れない」
「え、どうして?」
「ちょっとね」


麻子の「ちょっとね」は、男と会うことを意味する。


試験が近いのに、一体何をしているんだか。


「知らないよ?試験近いのに」
「私には心強い彩子がいるから、大丈夫」
「はぁ?」
「じゃあ、また明日も勉強教えてね」

麻子はそう言い残して、教室をいち早く出て行った。


「まったく、麻子の奴」


ぶつくさ文句を垂れ流しながら、私は他のクラスの女子たちと一緒に帰路へついた。
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