私の最悪の幼馴染。
「カッコいい?」


私は思わず、アイツがいる方を向いた。


私とアイツは生憎同じクラスだ。


高校1年の時も、そして、今年も。


私は席がうしろの方だけど、アイツは前の方。


アイツはクラスメイトの男子たちと大笑いして何かを喋っている。


「うん。だってさぁ、背も高いし、サッカー部のエース、頭も良いし、


目はぱっちりしているのにどこかクールな感じでさぁ、鼻筋も通ってて、


しかも優しいんだよね。クラスの女子、彩子以外は皆隼人君のファンだよ」


麻子がくすくす笑いながらノートに英語を書き写していく。


「皆分かってないの、アイツの本性を。性悪なんだから、本当に」


確かに、麻子の言っていることは嘘じゃない。


隼人は、あくまで他の人の評価だけど、


カッコいらしい。


確かに、身長は180センチ、鼻は高くて、目もぱっちりしている。


サッカー部ではエースらしく、しかも、成績は学年10位には必ず入っている。


でも、私だって負けていない。


アイツに負けるのは悔しい。


だから、私だってスポーツはできるし、


成績は学年10位には入っている。


「・・・だから、そういうの、女の子がやってもモテないって」


麻子にはそう言われるが、そんなこと知ったこっちゃない。


モテるためじゃない、


あんなバカな幼馴染に負けたくないから、だ。





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