私の最悪の幼馴染。
麻子がせっせと宿題を写している。


私はその隣で教科書を読み始めた。


実は今日は、夏休みが終了して最初の授業日だ。


つまり試験が近いということ。


クラスの中にも、何人か勉強している姿が見られる。


もっとも、前列あたりに固まっている男子どもは、


またふざけた話で盛り上がっているのだろうけど。


「彩子!」


クラスの端の方から、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。


「彩子、英語教えてー!」


違う仲良しグループの女子たちが、私の方を向いている。


試験期間が近くなると、やたらと皆が私を呼ぶ。


多分、私が英語が得意だからだろう。


おかげで、クラスの中では、いずれの仲良しグループとも仲良くできていて、


快適な学校生活が送れている。


「ここなんだけどね、この関係詞のところ」


「あぁ。ここね、ここは・・・」


説明していると、今度はまた誰かが私の名前を呼んでいた。


「彩子、お客さんだよー」


「うん、ちょっと待っててー」


とにかくその子たちに関係詞を手短に説明して、急いで教室の入り口へと走った。





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