花を辿れば、
【桜草】
桜のようになりたかった。
春になれば綺麗な花を満開に咲かせ、沢山の人に見守られ散っていく。
散っても散っても、春になれば必ず咲き、人々を喜ばせる。
頬を染めたかのような薄い桃色であの人を見つめる桜が、羨ましかった。
あの人に見つめ返してもらえる桜が、酷く妬ましかった。
ねえ、総司さん。
私は桜のような人に、なれたのでしょうか。