花を辿れば、
【鳳仙花】




貴方の瞳に映る薄桃色が、私であればいいと思った。



一滴零す貴方が切なくて儚げで、どうか私なんかに近付かないでと願った。




どちらが私の本心なのかは、私にすら分からなくて。




何故あの時貴方に話し掛けてしまったのだろう。



人なんか信じないと、自分に誓い続けてきたはずなのに。





貴方を一目見た瞬間から、本当はもう始まっていたのかもしれない。




< 13 / 52 >

この作品をシェア

pagetop