花を辿れば、
【鳳仙花】
貴方の瞳に映る薄桃色が、私であればいいと思った。
一滴零す貴方が切なくて儚げで、どうか私なんかに近付かないでと願った。
どちらが私の本心なのかは、私にすら分からなくて。
何故あの時貴方に話し掛けてしまったのだろう。
人なんか信じないと、自分に誓い続けてきたはずなのに。
貴方を一目見た瞬間から、本当はもう始まっていたのかもしれない。