花を辿れば、
「それで、容姿についてだが...女らしい。」
「........は?」
「いやだから、」
─今、この人、何を言った?
女?まさか...。
「....総司。」
「は、い?何ですか?」
「.....心当たりがあるのか。」
─土方さんの目が鋭くなった。
探るような目。
本当にこの人は感が良い。
...嘘を吐いてもすぐバレるだろうな。
「...もう少し、詳しく聞いてもいいですか。」
「.....あぁ。」
肯定も否定もしない。
その時点で返答してる様なものだが、それでも今の総司にはそれが精一杯だった。
それを察したかの様に、土方が話し出す。
「血の様に真っ赤な紅の瞳に、真っ白な肌。
そして、日本ではどうしたって有り得ない薄桃色の髪。
聞いたところによると、異人でさえそんな奇っ怪な色はしていなかったらしいがな。
それを見て、この世の者とは思えず異質だ、鬼だと言うやつが多くてな。
早く新撰組でどうにかしてほしいと言う話が山ほど来ていた。」
「...そう、ですか。」
どれくらい沈黙が続いただろうか。
俯いたまま何も言わない総司から異様な雰囲気を感じて、土方は何も言えなかった。
「土方さん。」
「...どうした。」
「この件、降りても良いですか。」
─そんなこと、聞くまでもない。
「無理だ。」