花を辿れば、




「ーっ!!」





カッと顔を赤くして、男がついに刀を抜いた。





それでもさくらは、まるで人形になったかの様に動けなかった。







─逃げなくちゃ。



でも、逃げてどうするの?






いつか、総司さんに殺されるのに。







多分、私はこれからも、貴方をここで待つのでしょう。





貴方が私を鬼として殺すその日まで。





あぁ、何て浅はかだったのだろう。




貴方の優しさは、私が勝手に良いように取った物だったのですね。







それでも、嬉しかったんです。









男が刀を振り上げる。










─教えて下さい総司さん。
私は、どうやって貴方を忘れればいいんですか...?










ねぇ。






....ブンッ




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