花を辿れば、
『....ごめんなさい、今日は帰ってもらえますか。』
涙と共にさくらが零した、精一杯の言葉。
それを思い出した総司の足は、いつの間にか止まっていた。
─あれは、何よりも貴女の本心から来た言葉だったはずだ。
でも、それなら何故『今日は』だなんて言ったんですか...?
貴女にとって、私と会うことは貴女の未来の中で必要なことなのですか?
貴女にとって、私は、必要なのですか?
総司はきゅっと胸の辺りを掴んだ。
恋しさを抑える様に、愛しさを抑える様に。
─大袈裟なのかもしれない。
たったの三文字でそこまで連想するなんて、おかしいのかもしれない。
でも、それでも私の思いを募らせるのには十分過ぎて。
そうだったらいいだなんて、馬鹿らしいことを思っている私がいた。
貴女がその言葉を口にした意味なんて、私には分かるはずもない。
だから、直接貴女の口から聞こう。
貴女のその三文字に、僅かな希望を乗せて。
貴女に、会いに行きましょう。