花を辿れば、
『斬り捨てろ』
─いつからこの言葉を聞いてきただろうか。
そんなことをいちいち覚えている程、出来た頭はしていない。
恐らく自分は異常なのだろう。
人を殺めることが当たり前になっている。
それどころか、むしろ強い相手と闘うことを望んでいる。
自分は『異常』だ。
けれどそれは、昔からだった気がする。
そんなことを考えながら、総司は壬生寺に向かう道を歩いていた。
普通の人と同じように、普通に歩きながら、『普通』ではない目的の為に。
─昔から、自分は他の子供より優れた才能を持っていた。
自意識過剰ではないはずだ。
事実だったのだから。
でもその事実は、周りを嫉妬させた。
普通とは違い過ぎる才能が、異質だと、異常だと言う人は多かったことを、子供ながらに覚えている。
「おお、総司じゃないか。どこか行くのか?」
「近藤さんっ!」