甘い声


そしたらまた
陽輔が静かに話しだした
「俺さ浴衣のこと忘れられなかったんだ
正直もう誰もいらないって思った
空もその他大勢の1人だった
でもいつのまにか浴衣の事忘れて
たくさん笑えるようになっててさ
そうやってよく笑う時は
いつも空が一緒にいる時で
なんか今更そんな自分に気付いて
目を逸らしててさ
でも俺今日空にキスされて
好きって言われて
離したくないって思った。
ちゃんと変わるためにはまだ
時間がかかるかもしれないけど
そんな俺でも好きって言ってくれる?」

すごく
真剣な顔だったから
涙が出てきて
捨てられると思ってたから
夢みたいで
でも夢じゃないように心から
お願いして
うまく喋れなかったけど
すぐに伝えたくて
消えてほしくなくて
「だいすき」
って言った

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