あのことあたし
嫌でも時間は経ってしまうもので、ついに月曜日、入学式の日がやってきた。
高校の入学式は午後から。あたしはぎりぎりの時間になるまで布団に引きこもっていた。
それでもやっぱり時間は過ぎていく。
しかたなく制服に腕を通す。制服を着てみたら、いままでの気分が嘘みたいに、ぴしっとした気持ちになった。
結構、あたしがこれから通う高校の制服は評判がよかったりする。それが目当てでこの高校に決めたわけじゃあないけれど。
・・ハンカチ、ティッシュ、上履き、えっと、あとはなんだっけ。
何度もカバンの中を確認し直す。
そうだ、高校は携帯持って行っていいんだっけ。なんだかかっこいいなあ!
だんだんとわくわくしてきた。

母さんと一緒に駅のホームへ行くと、いろいろな制服の親子が電車を待っていた。
なかには、スカートの短い子や、化粧をしてる子もいて、だんだんと、また不安になってきた。

電車がやってきた。中にもぎっしり緊張気味の親子たち。
今まではどこかへ出かける機会でもない限り、電車になんて乗らなかったけれど、これからは毎日これで通学するのかあ。もし具合が悪くなって早退になったらどうするんだろ・・。やっぱり電車で帰るのかなあ。やだなあ~。
周りにいる、新・高校生たちを観察しながら、そんなことを考えていたら、駅に着いた。
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