あのことあたし
ドアが開くと、同じ制服の人たちが一斉にどわっとホームに溢れた。すごい人数だ。中学とは比べものにならない。
やっぱり、みんなどこか少し緊張しているみたいだ。
(あたしだけじゃなかったんだ‥。)
ぎこちなく、改札を通ったり定期を買うみんなの姿を見て、ちょっと安心した。

駅から出ると、外はからっとした曇り空だった。冷えたワイシャツが肌に当たって、ぴりっと冷たい。
どんよりしたあたしをシャキッとさせてくれる、いい天気。

新しいかばん、新しい靴、新しい制服。まだどれも堅くて使いづらいけれど、これから始まる新しい生活とともに、私になじんでいくんだね。

いままでのあたしは、だらしなくて、まわりの人たちに頼りすぎていた。
だけど、これからはそうはいかない。
まわりは知らない人ばかり。自分から声をかけなきゃ友達もできない。

よし、あたし、変わるぞ〜!
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