かけがえのないもの
瑠奈は顔を真っ赤にして微笑んだ。

「何言ってんだよ…」

そう言いながら隼人も笑顔になり、瑠奈の頭を撫でた。

その時

隼人の携帯が鳴った。

「父さんからだ…。」

先程から感じていた嫌な予感が再びぶりかえしていた。

きっと瑠奈の帰りが遅いから「いつまで引き止めてるんだ」と怒られるだろう。

謝らないと…

隼人はそう思って電話に出た。

「もしもし。」

「隼人…起きてたか?」

「うん。…どうしたの?こんな時間に。」

次の瞬間、父は震える声で、信じられない一言を言い放った。

「瑠奈が…事故で死んだ…」
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