かけがえのないもの
自然と、隼人の目にも涙が溜まっていく。

信じられない。いや、信じたくない…

でも…

「…分かった。明日、帰るよ…」

「待っているからな。」

隼人は電話を切り、瑠奈を見た。

「えへへっ。ばれちゃったー。」

瑠奈は子供のように舌を出した。

「瑠奈…ほんとに…」

「うん…お父さんの言ってたこと、ほんとだよ。私、死んじゃったん…だ…」
隼人の胸の奥は、凍えるような寂しさに埋めつくされていた。
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