かけがえのないもの
それと同時に、とてつもなく熱いものが込み上げてくる。

心が痛い。

瑠奈自身から事実を告げられても、隼人の心はそれを信じる事を拒否した。

隼人は涙を流しながら、大声で言った。

「嘘だろ?瑠奈?嘘だって言ってくれよ!瑠奈はここにいるだろ?オムライス食べたし、プレゼントくれたし、
大切なこと教えてくれたじゃないか!
これからもずっと、瑠奈との思い出大切にするって約束したじゃないか!瑠奈…!」

瑠奈の肩を揺さぶりながら訴えた隼人は、やがてうなだれた。

ネジが止まったオルゴールのように、隼人はゆっくりとくずおれた。

瑠奈は、そんな隼人の背中に優しく腕を回した。
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