かけがえのないもの
「そこには、色んな人がいたんだけど、皆おんなじような白い服着てたの。
それで、分かったんだ。「ああ、私、死んじゃったんだな」って…」

瑠奈の目にも涙が光っている。

宝石のように輝くそれを、隼人は指で拭った。

「寂しかった…つらかった…心がズキズキ痛んで…どうしようもなく悲しくなって…
そんな時、目の前がいきなりパアーって明るくなったの。」

「明るくなった…?」

「うん。最初はすごいびっくりしたんだけど…その光から、声が聞こえたんだ。」

「神様…か…」

隼人はつぶやいた。

お伽話のような話だが、隼人の心には自然に受け入れられていた。
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