かけがえのないもの
「私、このまま死ぬのは絶対に嫌だった。どうしても…お兄ちゃんに、恩返ししたかったんだ。」

瑠奈は力強く隼人の手を握った。

「だからお願いしたの。お兄ちゃんに、最後に、目一杯恩返しさせてくださいって…最後の瞬間は、お兄ちゃんと一緒に居させてくださいって…」

「それで…死んでしまった後も、俺に会いに来てくれたんだ…」

「うん…ふふっ…信じられないよね?急にこんな事…」

「瑠奈…ありがとう。」

隼人は、心が満たされていくのを感じた。
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