かけがえのないもの
「それは、瑠奈がすごくいい子だったからだよ。神様が言ったみたいに。」

隼人は涙に濡れた顔を笑わせた。

「いつまでも恩を忘れない。思いやりを、愛を、優しさを、ずっと忘れない、素敵な子だったから、神様はチャンスを下さったんだよ。」

「お兄ちゃん…ありがとう。ほんとに…ありがとう…」

瑠奈の頬にも涙が伝っていた。

「私…お兄ちゃんの妹で良かった。誰よりも優しくて、頼もしくて、かっこよくて…いつもいつも、私を安心させてくれた…」
涙を隠すかのように、瑠奈は隼人の胸に飛び込んだ。
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